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  • Photography: Tetsuya Yamamoto
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ニッポンの魅力再発見の旅 高知

, 2019/12/30

柚子香る田舎寿司、日曜市に並ぶ橙や緑の直七やみかん。高知では昔から庭先で四季それぞれに収穫できる柑橘があり、旬の魚とのマリアージュを楽しむ酢みかん文化として根付いてきた。森林率84%という土佐の国の豊かな山川海と、おいしいを訪ねる旅へ。

風になびく稲穂、刈りとられ干された藁。秋へと移ろう景色のなか、ひときわこの地の風土を伝えていたのは、笹のような生姜の葉が一面を覆う畑だった。10月中下旬頃から土佐の人たちはこぞって収穫にあたっていたことだろう。抜くのにたいそう力も要するのだという。

高知といえば、客を招いて宴会を開くことが好きな県民性だろうか。いつしか宴会そのもののことをおきゃくと呼ぶようになった。大皿に刺身、煮物、揚げ物のみならずデザートまで盛る皿鉢(さわち)料理は、おきゃくに欠かせない郷土料理。ひと皿にまとめれば台所を預かる女性たちも一緒に酒を酌み交わすこともできるわけだ。土佐弁の〝はちきん〟は、男勝りの高知の女性を指す。話し方や行動が快活で気のいい性格、そんな女性たちは、たしかにこの旅で豊かな日常と土佐の魅力を伝えてくれた。

この旅イチの味ともいえるひと皿は、土佐田舎寿司だったかもしれない。観光情報発信館「とさてらす」で体験予約が可能と聞き挑戦することに。地域の食文化を伝えるという使命をもって活動するJA高知市秦支所のご夫人方に習い、楽しく握って詰める。イタドリ、リュウキュウ、四方竹など高知らしい豊かな山の幸8種をそれぞれに味付け、柚子などの酢をきかせた酢飯と組み合わせる。地域やつくる人で異なるというから、日曜市などで買って食べ比べるのも良さそうだ。

この地には、世界に誇る植物学者である牧野富太郎の功績を伝える「高知県立牧野植物園」がある。牧野富太郎は自らの足で全国を歩いて調査し、1500以上の未知なる植物に名前を付けた。8haの園地では博士ゆかりの野生植物をはじめとする3,000種類以上が四季を彩る。「富太郎先生のように好きなことを思い切りできたら幸せだと思います」。広報を担う小松加枝さんは、快活にかつ愛をもってたくさんお話しくださった。「私も子どもたちをよく連れてくるんです。先生が暮らしを豊かにする野の草花を見逃さず目をくばったように、自然に飛び込んで感じてもらいたいですね」。研究に没頭するあまり生活は困窮し家庭を顧みなかった人生だが、妻の壽衛(すえ)の死を前に発見した新種のササに没後「スエコザサ」と和名をつけ、学名を発表。感謝して献名した。彼の功績は、妻や家族の愛なくして語ることはできない。

「ファーム・ベジコ」の長崎雅代さんは、大手旅行会社を退社し40代で就農した。ベジタブル・コミュニケーション&コラボレーションとうたう活動は、野菜ソムリエとして野菜の魅力を伝えたり、料理人と交流するなど、野菜を育てることにとどまらない。「どんな場所でどんな人がつくっているのか見ることは大事。若い料理人さんは野菜がどう育っているか知らないことも多いんです」。すだちや直七、仏手柑などの酢みかんを切って絞って、軽トラの荷台で試飲がはじまったとき、野菜を通じた交流を楽しむ彼女の日常の姿が微笑ましく想像できた。

「ここは特別じゃない。ふつうのビジネスホテルなんですよ」。そう話す川上絹子さんは、2000年にセブンデイズホテルを、その3年後にセブンデイズホテルプラスを高知市街に開業した。「一人の人間の“好き”を形にしているから、素人でもホテルの経営ができたのかなと思います。同じ費用ならおもしろいことができた方がいいですものね」。エレベーター前には名作チェア、スピーカーから流れる美しい音が迎える。好きなものを大事に丁寧に用いる、ホンモノを置くのが信条だ。定年を迎えた常連客に、お疲れさまと見送る機会も増えているという。美しい嬉しい清々しい。絹子さんのおもてなしの心そのままの場だった。

あまりに居心地いい高知市内から、西へ東へと足を伸ばした。観光地として人気の仁淀川にほど近い、いの町。この町に移住し、喫茶と自転車がテーマのスペース「GOOD FIVE」をオープンした小野義矩さんと、自転車で里山と清流を満喫した。東は香美市土佐山田町の「DADA NUTS BUTTER」へ。「おもしろいことになりそう、と想像してはじめた」と話す聡明でチャーミングな武智まりかさんの魅力に吸い寄せられるように訪れ、絶品のファラフェルサンドをほおばった。「香北の地場が好き」と話すのは「Ocho 8(オーチョ)」西奥起一さんと栄利子さん。アンパンマンの産みの親やなせたかしさんが育った町としても有名な香北町へ2008年に移り住み、カフェを営んでいる。抜群のセンスと自らの経験から作り出されるオリジナルのキャンプ道具を見れば、タダモノではないことがわかる。芸術家でもある二人は、数年前からアーティスト・イン・レジデンスにチャレンジ。子どもたちと地域とともに日常を楽しんでいる。いただき損ねて悔しかったのは、自家製の発酵飼料や野菜くずなどの餌と環境で、ヒナから大切に育てられた鶏の卵を使ったオムライスやプリン。この地に流れる山の時間に身をゆだねるように暮らす二人の姿勢や視点、生き方にも心ゆさぶられた。すっかり、おなかも胸もいっぱいの高知旅であった。

————————— 
Hike, Bike, Cruise! まるごと堪能
ツール・ド・ニッポン in 高知
2020年3月20-21日の2日間で開催

高知市内と近郊の町をハイク&バイクで楽しむ旅。1日目は四国お遍路道をたどり高知市内の五台山へ、牧野植物園と竹林寺を訪ねて静かな時間を過ごします。お楽しみは夜も。料理家の有元くるみさんと、取材した生産者と食材を交えた特別な“おきゃく”ディナーへ続きます。2日目は牧野富太郎氏の生地・佐川を起点に仁淀川をバイク&カヌー。豊かな山川もおいしい!もまるごと満喫しましょう。

Place:高知県高知市・佐川町・いの町など
Date:2020/3/20-21
www.papersky.jp/tour

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