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日帰りハイクという名の小旅行|PAPERSKY mountain club

, 2019/01/04

最近、日帰りの低山ハイクが密かな楽しみである。「密かな」というのは、自分が低山ハイクに魅力を感じるなど、思ってもいなかったからである。

山歩きはテントを担いでなんぼ。日数は多ければ多いほどいい。日帰りなんて物足りないし、ましてや描きたい高山の風景はそこにはない。何より年寄りくさい。そんなものはテントが担げない年寄りのすることだと思っていた。

僕が住む町のまわりには、標高1,000mから2,000mほどの、日帰りハイクに適した山がたくさんある。日帰りといっても山頂を往復するには丸一日しっかり歩くし、整備されすぎていない登山道は歩きごたえもある。10月の三連休、芳しくない天気予報を見て当初の縦走登山を変更。行ったことのない隣町の山へ日帰りハイクに出かけた。

登山口まで車でどのくらいかかるのかはわからなかった。中山道の宿場町を通り過ぎ、ぐねぐね曲がった林道を上る。昭和45年に廃村となった宿場には江戸時代に建てられた家が今なお残り、まるでタイムスリップしたかのよう。集落のまんなかを流れる水路が清々しく、往時の生活が偲ばれる。近くにこんな場所があるなんてまったく知らなかった。囲炉裏のある建物には今も泊まることができるらしい。

林道は途中で行き止まりとなっていた。紅葉が始まった山肌を眺めながら2時間ほど歩くと、ようやく登山口に到着。カラマツの森からシラビソの森へ。林床にキノコを探しながら急登を登る。歩き始めて4時間ほどで頂上にたどり着いた。眺めの良い場所でコーヒーをたて、馴染みのパン屋のパンで昼食。晴れていれば中央アルプスや南アルプス、御嶽山が眺められるだろう。周遊コースを経て日暮れ前に車に戻った。初めて訪れた山麓の秘湯とお気に入りのイタリアンに立ち寄って、帰宅したのは午後8時を過ぎてからだった。

これまでは登山そのものだけが目的だった。けれど、その土地の風土や歴史、温泉、そして美味しい料理店などに立ち寄ることによって、近場の低山ハイクがちょっとした小旅行になる。なるほど、これが低山ハイクの魅力なのか。中高年のおじさまやおばさまはこんなふうに週末を楽しんでいたのか。いやはや、そう思うようになったのは、やはり自分も少しだけ歳をとったからなのかもしれない。

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