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Taiwan Bicycle Trip クオック・ファムさんと宜蘭ライド

, 2016/01/11

台湾は、レンタルサイクルがたくさんあるし、自転車専用レーンやサイクリングロードもよく整備されている。自転車をそのまま積める列車だってある。宜蘭と台南へ、自転車で出かけてみよう。田舎道を疾走し、小吃の店をはしごしよう。

自らの名を冠したサイクリングシューズブランドを手がけるクオック・ファムさんは現在、台北暮らし。いつもの都会でのライドとは、今日はちょっと気分を変えて。宜蘭へのショートトリップに誘った。

台湾と聞いて自転車を連想する人は少なくない。メーカーの工場も多いし、自転車専用レーンやサイクリングロードの整備も進んでいる。最近では台北の自転車シェアリングの大成功が世界中の行政から注目されている。台湾と自転車は相性がいいのだ。ただ、旅行者が台北の喧騒にいきなり自転車で飛び込むには勇気がいるのも確か。おびただしい数のスクーターや、カーチェイスのごとく車線を変えまくる殺気立ったタクシーに交じるなど、とても自信がない。

それなら、郊外でサイクリングはどうだろう。たとえば都会にほど近いオアシス、宜蘭は打ってつけ。三方を山に囲まれた蘭陽平野は土壌豊かで、清らかな水に恵まれている。ミネラルたっぷりの温泉野菜や米はブランド化され、サバや櫻桃鴨(鴨と書くがアヒルのこと)なども有名な特産物。トレッキングやサーフィン、ホエールウォッチングなどのネイチャースポットもある。

蘇澳は、宜蘭県における市街地の南端。電車なら宜蘭線の、車なら北宜高速公路の終点だ。まずは輪行で、台北から電車に乗って蘇澳へ。自転車をそのまま積み込める列車もあるし(要予約)、団体料金もあるようだから、ホームではサイクリストたちの姿もちらほら見かけた。

我々のサイクリングは、蘇澳を始点に宜蘭を北上するコース。蘇澳駅に降り立つと、まずは海を見に、陸繋島の南方澳へと自転車を走らせた。港には漁船がひしめき、魚市場には水揚げされた魚介が並ぶ。岸辺に建つ南天宮は海の女神で、航海・漁業の守護神である媽祖を祀った道教の寺。参拝客が次々と供えているのは神さま用のお金だそう。金を出して金を買う不思議とか、そもそも神さまは金のような世俗的な価値観とは無縁な存在なのではとか悶々としつつ、純金の派手派手な媽祖さんがいるテラスからは港が一望、気分を清々しく一新できたところで冷泉へ。

蘇澳冷泉は台湾で唯一の炭酸含有泉だ。この冷泉が無毒どころか効能もあることを発見、サイダーまでつくって販売していたのは日本軍人。ここでもまた、鉱泉の価値を見出したのはさすが温泉好きの日本人だった。約22ºCのぬるさは真夏以外はなかなか厳しいけれど、しばらく浸かっていれば身体はじきにポカポカしてくる、らしい。

幹線道路をしばらく走ると、大きな急須のモニュメントが。どうやらここ、冬山郷はお茶の産地のようだ。道路沿いに並ぶお茶屋さんのうちの1軒を直感で選び、入ってみる。各店はそれぞれ自分の茶畑をもち、自家製茶を販売している。店主が茶藝でもてなしてくれ、2煎、3煎と、香りと味の変化を楽しみつつお喋りしていると、自転車専用道路があることを教えてくれた。果して道の向こう側に、冬山鐵路高架沿線自行車道なる自転車専用道路が。幹線道路を外れるだけで急に、田んぼが広がる牧歌的な風景に変わる。広い空には鳩レースの鳩たちが旋回している。おかげで悠々気分で中間地点の羅東駅に着いたのだった。

残念ながら、小雨まじりになってきた。それでもむしろ暑いよりは楽だとポジティブな一行は、礁渓駅にゴール設定だけして、やっぱりのどかなサイクリングを続行する。かつて木材の加工・貯蔵場だった羅東林業文化園区の目の前の食堂、その名も林場肉羹では、他の大勢の客に揉まれつつなんとか席を勝ち取り、とろみのある熱々の肉羹麺を。日本人設計による広大な羅東運動公園の傍、牧内蛋では、イタリアで修業したマダムによる手づくりケーキとコーヒーを。他にも、市民の憩いの場・羅東文化工場や、宜蘭のことが丸わかりの蘭陽博物館など、ユニークな建築や規模の大きな見どころは多い。

礁渓も、やはり日本人が旅館を建てたことによって発展した温泉街だった。駅前からして足湯があるし、高級スパから無料の公衆浴場まで、とにかくたくさんの温泉施設がある。距離にして30kmちょっと。休憩はやたら取ったし道はよかったしで、意外に疲れはないけれど、さて、美人湯ともいわれる礁渓温泉でゆっくりしてから台北に戻るとしようか。

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